日本文化を守り、
未来を創る「つらなり」の想い
二〇二〇年十一月一日に「つらなり」はプロジェクトを発足しました。
日本文化をなんとかしないと、というひとの想いをかたちにすることをめざしています。
日本文化を憂いてなんとかしたい、その楽しさを伝えたい、興味はあるけれど機会がないなど、日本文化を大切に思い、日本文化が〈好き〉な仲間と〈連なる〉ことで新しいなにかが生まれるのではと考えたことがはじまりです。
日本文化を守り、そして、未来につないでいきたい……。
二〇一九年秋のこと、文化人、企業人が京町家に集い、日本文化の現状や課題、未来の夢を語り明かしたことから構想が生まれ、一年後に共同で会社を設立、つらなりが生まれています。折しも、かつてない感染症が世界を席巻するさなか、オンラインでの会合を繰り返し、うぶ声をあげました。
つらなりのスタートアップメンバーは、京町家に集った文化人と企業人です。
メンバーが所属する企業には、森林伐採が進んだ二〇世紀後半から植林に取り組み、三〇年をかけて国内外に多くの森を蘇らせ、プロジェクトを未来に繋げている会社もあります。
では、この三〇年の間、日本文化はどうでしょうか。
つらなりを誕生させてくれた京町家は、年間八〇〇棟消失しています。
つらなり発足前に行った生活者へのアンケート調査でも、改めて日本の生活習慣や暮らしの文化への意識が希薄となりつつあることに気づかされます。
まわりをしっかりと見渡せば、見えるところでも見えないところでもたくさんの日本文化が失われています。
このままだと当たり前に思われていた日本の習わしや営み、地域それぞれの風土が長い時間をかけて育んできたこの国特有の生活文化が、気づいたときにはなくなっているかもしれません。
なんとかしないと……そんな想いを集めて、なんとかしていこう、というのが、このつらなりプロジェクトであり、私たちの願いでもあります。
ここでの取り組みは、「古き良き日本をそのまま残しましょう」ということではありません。
古くから続くものごとを守り、未来へと発展させ、独自の新しいものを生み出す心意気で日本文化を創っていく活動をめざしたいと思います。